退院

3日入院、5日手術、今日(8日)退院。
豫定では12日までだつたのだが、主治醫が「何も問題ないし、何かあつたら來てね。取敢ず拔絲は必要だから再來週の火曜日ね。」とのことであつさり退院。とこれだけのことだつたのだが、これに至るまでに一悶着。
昨日(7日)、痲醉科醫が痛止の點滴を外す際、「これで何時でも退院できる樣になりますよ。」と私に言つたのが始り。次にリハビリ擔當の方が「カルテに『退院可』と書いてありましたよ。」、最後に當番(晝間)の看護師が「レントゲンも問題なかつたやうで、退院できさうですね。」と言ふ。だが退院するに當つての手續などちやんとした話はなく、どうも雜談の域を出ない。そこで當番(夜間)の看護師に「私は明日退院できるのでせうか?」と尋ねたところ、「あら、説明に來てゐませんか?では先生に説明に來るやう傳へておきませう。」と言つてくれた。だがその日のうちに説明に來られず、夜が明けて今朝――曖昧だがこれだけの人達が「退院」と言つてゐるのだからと歸る準備を徐々にしてゐたところ、痲醉科醫が「神崎さん、昨日はすみません。念のため月曜日(10日)にもう一度レントゲンと血液檢査をするので退院は待つてください。外泊と外出の許可は何時でも出しますから。」と言ふ。「こんな短期間の入院でどこへ『外泊』するんだ?」と思ひつゝ、ごねる意味もないので歸る準備を止め、月曜まで病院にゐる氣になり、迎へに來させてゐた母にも家に歸るやう言つた。母が病室を出て、友人に退院が延びた旨メールを送信しようとしてゐたところ、母が病室に戻つてきて「やつぱり退院できるらしいよ。」と言ふ。それを聞いた私が混亂してゐたら、續いて主治醫が入つてきて冒頭の言葉――力が拔けてしまつた。
退院一つで色々あつた昨日から今日であつた。
因に切除した神經鞘腫、まるで銀杏のやうだつたよ。