絶望感

時々襲はれる。何に對してかと問はれてもはつきりと答へられないが、強ひて言へば自分の人生についてだらうか。だが絶望するほどの人生を送つてゐるとはとても思へない。
今の仕事をやつてゐる意義をずつと考へる。意義なんかないことは解つてゐるのに。

轉職したいのか?
したい。
何をやりたい?
……。

やりたいことがある訣ぢやないのに何を考へる必要がある?何も考へずに働け――さう自分に言聞せる。でも一度考込むとその穴から拔出すのは大變だ。時が解決すると經驗上知つてゐるのに穴にゐる間は永遠に感じる。